製品概要
門形マシニングセンター(MC)の切削稼働率を向上させるために、ワークの位置決めなどの段取りを本機のテーブル上で行うのではなく、外段取り用のパレット上で行い、これを作業者がクレーンを用いてワークを載せたパレットごと門型MCのテーブル上に位置決めして載せるようにするものです。
これにより、段取りによる機械稼働停止時間
平均的に1~3時間 ⇒ 約10分に短縮 生産効率向上/コスト低減が図れます。


導入効果
- 生産性向上/コスト低減
例えば、加工 4時間+段取り 1時間 = 計 5時間のサイクルを、1日4回実施している場合、加工機上で行っていた1時間の段取り作業を、パレット交換のみで済ませれば、1日約4時間の時間短縮となり、加工サイクルを1回増やすことが可能となります。これにより、生産性は125%と大幅に向上します。
金額ベースでは、年間250日で、約1,000時間=約8,000千円のコスト低減が図れることになります。
シニア作業員を活用できる作業環境にパレットによる外段取り作業が可能となり、
① 清掃も含めた外段取りに十分な時間を取ることができ、作業を平準化できる。
② 作業性、安全性が大幅に改善できる。
特長 / メリット
- レイアウト自由度が高く、段取り作業場所(パレット待機場所)は、クレーンで吊れる範囲であれば、任意の場所に設置できます。
- 段取りは、本機テーブル上に乗って行う必要がなくなり、作業性・安全性は格段に良くなり、作業効率も向上します。
- 複雑な治具立てや、角度割り出し治具など、設置調整に時間がかかる治具は、治具をセットしてあるパレットを使い分けることで、効率化が図れます。
- 工作機械本体の改造は、ほとんどする必要がありません。
- ワークの大きさ・重量により、パレットを使用せず、本機のテーブルを使用する事も容易に行えます。
- 必要に応じて多様な機能や利便性を付加していけます。
標準仕様(パレット)
基本仕様
① パレットサイズ
上面(有効面)は本機テーブルサイズに対して、幅方向 +100mm、 長手方向 ±0mm を基本とします。
下面(テーブル接触面)は、本機テーブルを全て覆いかぶさるようにし、テーブルとパレットの間に切粉が入り込まないようにして、接触面を保護します。
②対応サイズ (本機テーブルサイズ)
2,000 x 3,000, 2,000 x 4,000, 2,000 x 5,000,
2,500 x 4,000, 2,500 x 5,000, 3,000 x 5,000(高さはいずれも 225mmが標準です。)
(以上 6タイプを標準としますが、これ以外のサイズは相談下さい。)
③パレット上面仕様
T溝:本機のテーブルの仕様に合わします。
加工精度:機械加工仕上(お客様の本機で上面仕上加工をされることをお勧め致します。)
④ パレット位置決め:本機テーブルのT溝および端面を活用
(パレットのガイドキーをT溝に挿入)

⑤ パレット固定(クランプ)
多くの切削条件ではクランプの必要はないと判断しています。ビビリ等の発生が懸念される場合には、T溝ナットとボルト締めでクランプすることができます。

⑥ 吊り上げワイヤー掛け金具
パレットの側面の穴(左右各2ヶ所)にワイヤー掛け金具を挿入し、そこにワイヤーを掛けてクレーンで吊り上げます。
金具は勘合により容易に抜け落ちないようにしています。
段取り作業時あるいは加工時は安全のために金具を取りはずせるようにしています。
オプション
① パレット置き台
段取り等を行うために、パレット置き台を用意しています。
パレット置き台は鋼板溶接構造で、上面に傷防止用の樹脂(厚み約20mm)を取り付けています。
段取り作業を行い易いように、パレット上面の高さは600mmを標準にしています。
②パレット裏面清掃架台
パレットの裏面を清掃ために、パレットの下に入って清掃作業(拭き取り)が行える架台を用意しています。
(パレットとテーブルの間に切粉や切削油などが入り込むと、隙間ができ、加工精度の低下、加工時のビビリの発生などが懸念されますので、本機に移送する前に拭き取ることを推奨します。)